テナントとは?
「テナントとは?」に関する用語説明のページです。
テナントとは店舗や事務所など、賃貸物件に賃貸契約して入居する賃借人(借り主)のことを指します。テナントと聞いてピンとくる方は、不動産に詳しい方やご自身で店舗を運営している方が多いかと思います。
商業施設では小規模から大規模な施設まで、さまざまなテナントが募集されています。特に大型の商業施設になると、人気があって集客力がある店舗をテナントとして誘致できるかが、商業施設の成功を大きく左右するポイントになります。商業施設全体のターゲットを集客の視点から考えると、リピーター客の多いテナントを入居させることが重要な鍵になります。
商業施設のテナントを誘致する側からすると、かなり詳細なデータが必要になってきます。理由としては、人気店であっても一時的なものだったり、商業施設のコンセプトにフィットしないテナントは求められていないからです。逆に、同じ商品を取り扱っているテナントであっても、人気のあるテナントに似ている店舗であれば行ってみたいという比較心理を利用できる可能性もあります。人気の相乗効果を生むことが出来れば、結果、施設全体が影響されて活気のある施設になっていくのです。
さらに、商業施設の活気を途絶えさせず持続させるには、定期的に新しいテナントを出店させたり、テナントの入れ替えを定期的に行うためのブースを用意していたりします。
特にテナントの中でも飲食店は、幅広い年代がターゲットになります。毎回施設を訪れた時は、飲食店を利用するというお客様もいるくらい利用頻度の高いテナントが飲食店です。そのテナントがいつまでも代わり映えしないままですと、徐々にリピーターも減少してしまいます。
さらにその雰囲気が施設全体にも連鎖して、“いつもと同じ”というマンネリ化が発生してしまいます。テーマパークでアトラクションを入れ替えないと来場者が減少するのと同様、商業施設もテナントを定期的に入れ替えることで、ファンを飽きさせずに掴み続けることがとても重要なのです。
定期的に飲食店のテナントを入れ替えるということは、数年営業してもらったテナントに撤退してもらい、新しいテナントを出店してもらうことです。
そこで問題になってくるのが、“原状回復(スケルトン戻し)工事”をどうするかという点です。毎回テナントが入れ替わるたびに、原状回復(スケルトン戻し)工事→新規内装工事をするのではコストが大幅にかかります。その改装工事費がかかることで、テナント区画が空席のまま=収益にならない期間が増えていくことに繋がりかねません。
そこで対策として「居抜き物件」として、前営業テナントの内装造作などをできる限り引き継ぐという方法です。この方法を活用することで、次のテナントの誘致がスムーズになり空席の区画期間を最小限に留めて、さらにコストもカットできるというメリットがあります。
■テナントの種類
テナントにはいくつかの種類が存在します。大きく分けて3種類に分類されるのですが、ひとつめは物販テナントや飲食テナントなどの「店舗」です。ふたつめは、色々な企業を構えるための「オフィス」です。みっつめは、商品の在庫や物流関係の企業には欠かせない「倉庫」の3種類のテナントがあります。
・店舗
店舗と言われるテナントには、カフェや居酒屋などの飲食店、エステや美容・理容などのサロン、歯医者などのクリニック、特定の商品を販売する雑貨店やスーパーなどがあります。不特定多数のお客さまの集客を目的とした物件店舗テナントと分類しています。
・オフィス
オフィスとは日本語で会社や事務所などの意味があります。企業などに所属するスタッフが仕事をしたりする場所で、特定の関連する来客のみの訪問が行われる場所をオフィステナントと分類します。
・倉庫
テナントの中でも倉庫は、商品の保管に使用したりするために使用される場所のことです。倉庫では作業なども行われますが、特定の従業員が使用する場所です。
テナントと一言で言っても、このように目的によって分類がされています。また、用途によってその価格や立地なども大きく変わります。
■テナント誘致はどうやって行うの?
テナント物件が空いた時、もしくは新しくテナントを誘致したい時はどうやってテナント誘致を行っているのでしょう?それはテナントが商業施設やSC(ショッピングセンター)などの集客のためのキーテナントなのかそれとも普通の店舗なのか、事務所なのかビルなどのテナントなのか入居場所などによって異なります。
・RAINS(レインズ)に登録する
RAINSとは、不動産流通標準情報システム=Real Estate Information Network Systemの略称です。日本の国土交通大臣より指定を受けている、インターネットのネットワークシステムです。このRAINSでは会員登録している不動産会社に、リアルタイムでテナント情報を共有するためのものです。RAINSには多くの不動産会社へオンラインで情報提供しているため、テナント誘致までの時間を最短で提供することが可能です。
・募集看板・ポスター設置
テナントを誘致したい商業施設やビルなどの不動産店舗物件に、直接テナント募集の看板やポスターを設置します。店舗や物件の目の前をいつも通っている人に、ダイレクトに呼びかけるという意味があります。
・不動産サイトへの登録
テナントの誘致には、店舗や事務所などの物件を探している人や企業向けの不動産サイトへ登録を行います。物件を探している人が、ダイレクトに検索したり問い合わせをしてくれるので、ターゲットとしてはダイレクトに誘致活動が行えます。
・募集チラシ
新聞広告やポスティングなどで、テナント募集のチラシを配布する方法です。商業施設やショッピングセンター周辺の店舗への募集をかけるなどが可能です。
・WEB広告
スマホの普及で、インターネットの広告でターゲットに向けてダイレクトにテナント誘致の広告を打つ方法です。事務所や物件などを検索している人へ向けて、広告表示をしていくことで誘致活動が可能です。この他にもダイレクトメールや、FAX、メール、テレアポなど直接的に、テナント誘致の活動を行う場合などもあります。
人気の高いテナントであれば何もしなくても借り手から問い合わせてくれますが、一般的なテナントは色々な方法でテナント誘致を行っています。
■商業施設以外のテナント誘致のポイント
商業施設と言われるショッピングセンター以外のテナントを誘致する時のポイントをまとめてみました。一般的な事務所や店舗、ビルなどの物件のテナント誘致は色々な方法を取っているようです。
・オフィス誘致
オフィスビルのテナント誘致は直接総務部を訪問して、現契約より小規模のオフィスもしくは大きいビルへ移転を提案することです。また同じ大きさでも、坪単価の安いオフィスやビルなどの提案をします。
・倉庫の誘致
倉庫が必要な事業は建築に関連する資材や、食品、インテリアなど“もの”を販売したり作ったりしている会社です。事業に必要な材料を保管したり、完成した製品を置いておくスペースが必要になります。 倉庫の誘致には企業の総務課などに直接訪問やFAX送信をして営業をかけます。他には、自社のWEB上に広告を出したり、倉庫のテナントを募集している専用サイトに掲載したりする方法があります。
・一般的な店舗の誘致
一般的な店舗の誘致のポイントは、近隣の飲食店やクリニック、サロンなどにアピールすることです。直接テナント前に募集看板やポスターを出したり、チラシを作成してポスティングや新聞広告を配布します。また、全く違うエリアからテナントを探している人向けには、WEB広告などを出して「エリア×テナントの種類」で検索できるようにします。一般的な店舗の誘致は、必要としている人にどれだけ多く見てもらい、いち早く入居の決断をしてもらうことです。
商業施設以外のテナント誘致のポイントは、細かくコンスタントにアプローチをしていくことです。日本中どこでも同じような条件のテナントが存在しますので、いかに必要としている人にいち早く情報が届くことがまず第一条件です。
その次に、見てもらった物件を上手にアピールして、入居を決めてもらうことが大切です。そのためには、詳細なテナント情報に加えて、イメージが湧きやすい利用例の提案や、気になる細かな部分の映像や写真があることも重要です。
■商業施設のテナント誘致のポイント
商業施設のテナント誘致の最大のポイントは、ウリとなる「キーテナント」をきちんと誘致できるかということです。このキーテナントがあるのとないのとでは、商業施設全体の売り上げが大幅に左右されます。ブランディングが上手で知名度の高い店舗だったり、リーズナブルな価格がウリのディスカウントストアなどが現在のキーテナントとして人気があります。