飲食店の閉店率が高いのはなぜ? 飲食閉店の原因と閉店しないためにするべき対策とは
飲食店のうち約35%がオープンして1年未満に閉店している?!
飲食店は、オープンしてから1年と経たずに35%もの店舗が閉店していくといわれています。そして、次の閉店のピークが「魔の3年目」と言われる頃合いです。この頃になると、35%減ったところからさらに20%を越える店舗が閉店するとされています。
では、どうしてこんなにも多くの飲食店がせっかく開けた幕を下ろしてしまうのでしょう。この2つの閉店時期の『閉店理由』は同じではありません。まずは、『開店してから1年以内に閉店してしまった』お店が直面した閉店の原因を探っていきます。
【原因その1】固定客がつくまでに運転資金が尽きる
1年未満の閉店の理由のほとんどが、固定客がつかなかったことにあります。これは、飲食業界だけではなくほかの多くの業界に言えることですが、集客できないということは、当然売り上げが上がらないということです。売り上げが上がらなければ、必然的に業務は停滞、衰退し、終幕に向かっていってしまうでしょう。
この状態に陥りがちなのが、自分自身にお客様がついてくれている『独立系』の飲食店です。この場合、もとから自分の料理には自信がありますし、自分の作る料理がブランド化されるということから、宣伝などの努力をしていないケースもあります。加えて、売上予測が甘いケースも多く見られます。
飲食店というのは、常連客を作ることが非常に大事ですが、それと同じくらい新規の客を付けることが大切です。新しいお客様の中から、常連客になってくれる人が出てくることで、口コミ効果もより広がり、結果的には安定した経営につながっていくのです。
そして、その『固定客』を作るまでに運転資金が尽きてしまった場合、時すでに遅しです。宣伝活動をしようにも余剰金がなく、知名度を上げることもできません。こうなると、新規顧客の獲得は困難で、集客ができず、運営に苦しむケースが非常に多いのです。
【原因その2】自身が造りたい料理を優先しすぎてニーズに合わない
2つ目の原因が、『こだわり』にあります。こだわりがあるお店というのは、一見よさそうに思えますよね。ですがそれは、新店に限っては間違いのこともあるのです。内装にこだわり過ぎて運転資金が尽きてしまうことも往々にしてありますが、問題なのは料理へのこだわりが強い場合です。
自分が作る料理に大きなこだわりがあるタイプの場合、それが『一般受けするもの』ならばよいでしょう。ですが、『通好み』『個性的』なこだわりだった場合は、話が異なります。新店舗に足を運ぶのは、主に若い客層かサラリーマン、OLなどです。料理の味にこだわりを求めるより、普通さ、量の多さなどを求める客層がほとんどです。最初から『こだわりのある店です』といった触れ込みで宣伝した場合、訪れるターゲット層を非狭めてしまうことになりかねません。
また、材料にこだわるあまり、採算度外視のメニュー構成になってしまう人もいます。こだわりの料理だけではなく、あくまでも普通の、一般的な料理も準備しておくことが大切です。
3年以上続いた飲食店の閉店は「負の連鎖」が引き起こしている!
ここからは、3年以上続いたのにもかかわらず閉店に追い込まれてしまった飲食店の閉店原因について見ていきます。実は、この時期に閉店してしまう飲食店は、何らかの『負のスパイラル』に陥っている可能性が高いのです。
このスパイラルに陥ってしまうと、今まで順調に行っていたはずの飲食店経営があっという間に窮地に追い込まれます。自分の店舗にもこの傾向がある場合は、早めの対策を心がけてください。
同じ売上で利益をより多く残そうと考えてしまう
オープンしてからすぐは、どのお店もメニューに工夫を加えたり、売り上げを上げるためにいろいろな企業努力をすることでしょう。宣伝活動などにも力を入れ、しっかりと固定客を作れたからこその3年間があるのですから。しかし、3年が経過すると、『欲』が生まれます。もっと売り上げを伸ばしたいという欲です。
この欲は至極まっとうなことなので、持ってはいけないということではありません。この欲を、売上に対する食材や従業員のコストを下げることで出せないかと考えることが問題なのです。
今のメニューの値上げをしない・新しいメニュー開発をしないなどで売り上げを伸ばすためには、料理の量やサービスだったものを有料化するなどの方法があります。同じ値段、同じ料理なのに器を変えたり盛り付けを変えたりして、全体的な料理のボリュームをダウンさせたり、今まで入れていた材料を安価なものにしたり、調理方法を簡単に作れるようなものに変えたりするのです。
お客様というのは、味や量の変化には敏感に気が付くものです。すると安定していた客数に変化が出始め、徐々に客数が減り、リピーターが離れていってしまいます。
いままで行っていたサービスを別料金にする
お代わり自由だったご飯を別料金にしたり、ドリンクバー飲み放題を有料にしたりするのも同様です。こうすることにより、確かに一時的に利益は残っていきます。問題は、その後出てくるのです。
上記の通り、お客様は味やサービスの変化に敏感に反応します。料理のおいしさはもちろん、満腹度やサービスの有無が、お客様の満足度につながっていくのです。お客様がコストパフォーマンスを考え、別のお店に行くようになったら、客足が戻る可能性は非常に低いでしょう。
飲食店が閉店に追い込まれないようにする対策とは
ここまで、飲食店が閉店に追い込まれてしまう原因を見てきました。ここからは、どうやったら飲食店が閉店に追い込まれないかを解説していきます。言われてみれば簡単なことかもしれませんが、実際に実行している人は少ないのが現状なのです。過去の栄光にとらわれるのではなく、常に新たな目を持って未来を見据えていくことで、閉店リスクを回避できるようになるでしょう。
キャッシュフローを見直す
キャッシュフローの見直しは、まず真っ先に行ってください。現在どうして閉店に追い込まれるくらいの財政難に陥っているのか、その原因を探ることは非常に大切です。むしろ、その原因が分からないまま何らかの策を講じても、失敗する確率のほうが高くなってしまうことでしょう。
考えられる原因として、常連さんに対して付けが多くどんぶり勘定であったり、逆に計算書・決算書の紙上でばかり損益を気にして経費コントロールをしていなかったり、店舗と自分の生活費を分けずに使っていたりなど、様々な問題が浮かび上がってくるはずです。
問題の洗い出しが終わったら、取るべき対策を考えましょう。
もしどんぶり勘定があったなら、売上集計や入金・出金サイクルを明確にするなど、お金の動きの透明化を図ってください。
計算書・決算書の紙上でばかり損益を気にして経費コントロールをしていなかった場合は、経理の体制を整え、経費として使える上限を決めましょう。そしてその上限に達したら、他の経費を抑制します。最初から過度に抑制すると、現場が回らなくなるので注意が必要です。
店舗と自分の生活費を分けずに使っていたケースは、非常に簡単です。店舗と自分の生活費の通帳や財布を分離するのです。そして、当然のことですが、店舗の現金を自分の生活費に使用してはいけません。前借りなどもNGです。
多くの人に知ってもらう宣伝活動を行う
美味しい商品を提供するためには、お客様に来てもらわないと始まりません。宣伝にお金をあまり掛けられないと、認知度が上がらなくてお客様が来ず、閉店の危機をひっそりと迎えてしまうこともあります。商品を売る努力も、飲食店経営のためには欠かせないことなのです。
お客様が来て、料理を食べてくれてこそ、商品が『売れるものか売れないものか』分かるのです。口コミという流動的なものに頼るよりも、先に積極的に多くの人に知ってもらう宣伝活動をしましょう。例えばSNSや、ホームページを開設するなどして、Web上で宣伝をします。これにはコストがかかりませんから、まずはここから始めましょう。
次に、DMのポスティングや、ポスターの掲示を行います。これには印刷費や投函費、掲載費がかかりますが、実際に目で見た情報というのは取り入れやすいものです。さらに効果を高めるために、『口コミの誘発』をしましょう。友人・知人に食べにきてもらい、感想をヒアリングします。本当に美味しいと思ったら自然とどこかで話に上るでしょうし、おいしくない場合は忌憚ない意見を聞くことで、飲食店の質の向上につながり、一石二鳥なのです。
飲食店経営に「成功」するには店独自の特徴を活かせるよう考えるべし
飲食店が成功するカギは、あなたのお店の『独自性』にあります。どこかで見たような料理・内装・飲み物のメニューではなく、人が思わず「これは!」と思うような独自性を考えてみてください。ただ、その独自性にこだわるあまり、飲食店として致命的な味の質や、清潔感のなさなどにつながってはいけません。
全く新しい料理を考えるのは困難ですから、アレンジに一工夫加えるなどしてみてはいかがでしょうか。同時に、キャッシュフローの見直しや宣伝活動などにも注力すれば、閉店の危機を乗り越えられることでしょう。閉店のリスクを感じている経営者さんは、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
無料査定・売却のご相談はこちら
-
フォームのからのご相談は
お問合せご相談はこちら
24時間受け付けております -
店舗住所、賃料、坪数、
LINEで相談する LINEで相談する
ご希望の連絡手段を記載してください!
-
フォームのからのご相談は24時間受け付けております
お問合せご相談はこちら24時間受付中 -
LINEでは、店舗住所、賃料、坪数、ご希望の連絡手段を記載してください!
LINEで相談する LINEで相談する