居抜き売却事例

新丸子に出店して2年がたち、思うような売上も上がらず月々が赤字となり、悩んでいたオーナーさまからのご依頼です。
最初は運転資金で何とかやり繰りをしていたのですが、資金も底をついてしまいました。 家賃も支払えなくなり、徐々に保証金も相殺して家主さまにも迷惑をかけることになってしまいましたが、閉店し原状回復（スケルトン工事）をする費用もありませんでした。 オーナーさまから買取りＪＰへのご依頼は、造作を売却したお金で滞納している家賃を支払い、営業を続けるほど赤字が増加するため、1日も早く閉店したいとのことでした。

新丸子駅から徒歩10分程度の2階店舗。徒歩圏内であるものの人通りは少ない位置にありました。 また、看板も1Ｆに置き看板があるだけで、ほとんど目立ちません。

店舗内装は2年間営業していましたが、居抜きの状態で引き継がれてきたこともあり、飲食店に必要な基本設備である、グリース・トラップ（油脂の阻集器に溜まるグリースをそのまま流さない装置で、飲食店は水質汚濁防止法や下水道法で設置が義務づけられています）がありません。 さらにダクト（排気や給気に使用する配管）が家庭用の換気扇レベルでしかなく重飲食（焼き鳥、焼肉、中華、ラーメンなど）を出店するには改装費が大きくかかることから成約に時間がかかりそうな店舗内装でした。立地からいえば事務所向けの物件でした。

すでに家賃が支払えないため、とにかく買取り希望者を幅広く探さなければなりません。
そこで買取りＪＰの担当は、ポイントを3つに絞りました。

• 1. 駅からやや離れ住宅も多いことから、エリアをよく知っている方への重点的な紹介
• 2. 家主さまに交渉し看板のリースライン（設置できる場所）を増やしてもらう
• 3. 家主さまに交渉し滞納している家賃の支払いをするためにも造作の売却を認めてもらう

1. 駅からやや離れ住宅も多いことから、エリアをよく知っている方への重点的な紹介
賃料条件としては近隣相場を見比べての高くも安くもない印象でした。
ただし、造作を買い取れる先を探すのであれば当然飲食店以外にはありません。
立地が良くない場合、買い取り希望者を探すには何かプラスポイントが欲しいところです。

2. 家主さまに交渉し看板のリースライン（設置できる場所）を増やしてもらう
そこで建物正面に大きく空いたスペースがあることに目を付けました。看板の設置個所は飲食店にとって1番重要ともいえます。
早速看板設置後の建物イメージ写真をお持ちし、今後の空室リスクも説明し家主さまと交渉しました。

3. 家主さまに交渉し滞納している家賃の支払いをするためにも造作の売却を認めてもらう
家主さまへ滞納している家賃を支払ってもらうためにも、今後の空室を避けるためにも、造作を売却する方法があることを説明し、買い取りＪＰ姉妹サイトのぶけなびや、提携不動産会社をつかい幅広く募集することも承諾してもらいました。


そして数多く紹介していくなかでようやく1件の内見が入りました。
しかし問題が1つありました。
買い取り希望者が出店したい業態が焼肉屋だったのです。

前述のとおり、こちらの物件は重飲食を行う上で改装費が大きくかかるであろうことが見込まれており、改装費がいくらかかるかで出店有無が決まる状況でした。
内装業者も同行し提出された見積もりは予想以上に高く金額に悩んでおり、 そのため造作の金額交渉が入りました。しかし造作の金額を下げてしまえば滞納している家賃を支払うことができません。

そこで改装費を下げるために数社の工事会社をご紹介。相見積もりを取り金額を下げることができました。

さらにオーナーさまにはこの売却チャンスを逃すリスクを説明し、保証金の戻り額を含めて手残りがいくらあれば無事閉店できるかを模索し、ギリギリの範囲まで造作代を減額する決断を頂きました。

結果、造作金額を100万円と希望に近い形で売却することに成功し、オーナーさまも無事に店舗を閉店することができました。