飲食店売却はじめの1歩!損をしないためにするべきことを徹底解説!
現在飲食店を経営していて、その飲食店舗を誰かにお金と交換に譲る、つまり売却・譲渡を考えている方はいませんでしょうか。
多くの場合、店舗の売却などは人生においてそう経験することではないですから、何から始めればよいのか戸惑っているかもしれません。
そこでここでは飲食店を売却・譲渡するのにまず何から始めればよいのか、という方法について解説します。
飲食店売却・居抜き譲渡のスキーム
まず飲食店売却・譲渡のスキーム、つまり枠組み、方法は2つに分けられます。
2つの売却方法
居抜き物件売却
1つ目は「居抜き物件売却・譲渡」という方法です。この場合、売却対象は、現在の店舗の使用権あるいは営業権と、店舗にある内装や設備などの形あるものです。
物件自体の売買とは異なりますのでご注意ください。
事業譲渡
2つは「事業譲渡」という方法です。これは現在の店舗を使用権利だけではなく、雇用している従業員、扱っている料理メニューというある意味でのノウハウ、リピート客の情報、店舗の内装や設備など、要は飲食店経営の有形無形にかかわらず、「すべて」を売却する方法です。
居抜き物件売却のメリット
上記2つのうち、簡単な方法が居抜き物件売却・譲渡です。また居抜き物件売却にはほかにもメリットがあります。
原状回復(スケルトン戻し)費用がかからない
仮に今営業している飲食店を閉店して、賃借物件から退店する場合、賃貸借契約書に書いてある通り原状回復(スケルトン戻し)工事をしなければなりません。
仮に20坪のお店をスケルトンで借りていた場合は、スケルトンまで戻して返すことになるので、平均して約200万円の原状回復(スケルトン戻し)費用がかかります。
しかし居抜き物件売却の場合は原状回復をしないで済むので、この原状回復費用がまるまる浮くのです。
収益が得られる
造作、内装、什器、設備などを新しい借主に売却・譲渡することで、入居時にかかった費用を回収することができます。
さらに設備などの中にリース物品がある場合、それを契約期間満了にならないうちにリース会社に返却すると違約金が発生しますが、居抜き物件売却の場合、そのまま引き継いでくれる方を見つけられれば、その違約金も支払わなくて済みます。
解約予告期間の賃料がかからない
賃貸物件から閉店・退店する場合、一般的には退店の3~6か月前には大家さんもしくは管理会社に解約予告を行い、その上で原状回復工事をし返却することになります。
したがって営業はストップしてたとしても、家賃だけ発生する期間が発生します。
しかし居抜き物件売却の場合は、今日まで営業して翌日からほかの人または会社に売り渡せますので、退店までの空家賃を支払わなくても済みます。
引渡しまで営業可能
上記は言葉を換えれば、退店(賃貸借契約を解約)する前日ギリギリまで営業できるということなので、少しでも売上を上げて、その飲食店を経営する上で発生した損失を回収することが可能です。
今のビジネスを別の場所で続けられる
事業譲渡の場合、法的に売却した業種と同じ業種は一定期間営業することができません。しかし居抜き物件売却の場合は、退店した後すぐにほかの場所で全く同じ営業内容で開店することが可能です。
居抜き物件売却の注意点
ただし居抜き物件売却には、いくつか注意点があります。
大家さん・管理会社の承諾が必要
1つは居抜き物件売却・譲渡を行う場合、大家さんと結んだ賃貸借契約の内容が変わることになるので、大家さんすなわち店舗物件のオーナーに、契約者が変更になる旨を伝えて、居抜き物件売却・譲渡の承諾を得ることが必要になります。
その際に物件オーナーがこちらが退店した後の物件の使い道を、飲食店以外のオフィスなどで考えている場合には、借主の変更を拒否することもあり得ます。
そうなると居抜き物件売却自体が成立しなくなります。
ですから居抜き物件売却契約の締結前に、物件オーナーに説明しその承諾を得るための説得をする必要があるのです。
飲食店買取りJPでは、大家さんへの交渉も代行させていただいております。
居抜き物件売却が禁止されている場合もある
2つ目は現在締結している賃貸借契約の中に、居抜き物件売却あるいは「造作譲渡」という文言で、その行為を禁止している場合があります。
それにもかかわらず勝手に居抜き物件売却をしてしまうと、他人の持ち物の使用権利を勝手に売却してしまったことになるので、最悪の場合、損害賠償請求をされます。
ただし、こちらに関しても、交渉次第では居抜き売却が可能になる場合もありますので、まずは飲食店買取りJPへご相談ください。
リース機器ごとの残債(残支払い金額)を明示する
同じようなことがリース品においても発生します。
つまり、リース品をそのまま新しい借り主に引き継ぐ場合、リース契約も新しい借り主に引き継がれます。
その際に、リース品の残債を明確に示しておかないと、新しい借り主にとって思いもよらない費用が入居後に発生して、トラブルが発生することがあるのです。
1番よい方法は現借り主さまがリースの残債を全額支払って、いったんリース契約を終了させておいて、新しい借り主には新たにリース会社とリース契約を結んでももらうことです。※リース品の有無によって売却金額にも大きな差が出てきます。
まずは業者選定
居抜き物件売却は以上のように細かな注意点や交渉事があるので、自分1人では手に余る場合も多々あります。そのようなことを防ぐためには、居抜き売却・譲渡専門業者に依頼して、新しい借り主の募集から物件オーナーとの交渉、その後の契約まで一括して代行してもらう方が安心です。
もちろんこの場合は、居抜き物件売却の契約が成立した段階で手数料が発生しますが、その前段階まで、たとえば居抜き物件売却の相談から購入者の募集までには無料の業者がほとんどです。
ですから居抜き物件売却を考えたら、まずその居抜き売却専門業者をインターネットなどで検索してみましょう。
居抜き売買予告~物件の査定、調査
居抜き売買予告から、物件の査定、調査までの流れ
次に行うことは大家さん(物件オーナー)への解約予告です。退店日を基準にしていつまでの予告をしなければならないのかという点は、入居時に結んだ賃貸借契約によって異なりますので、契約内容をしっかり確認しましょう。一般的には解約予告の場合は退店日の3~6ヵ月前です。
そして物件オーナーから居抜き物件売却の承諾を得ます。物件オーナーの承諾を得られない場合は、居抜き物件売却ができませんから、もしもすぐにOKがもらえない場合は、何度か通って説得する必要が生じます。こちらに関しては、はじめの交渉がその後に大きく作用しますので、まずは居抜き物件売却専門業者に相談することをおすすめします。
ここまで段取りが踏めたら、売却・譲渡する飲食店舗の物件の売却・譲渡額を決めるための査定、調査を居抜き売却専門業者にしてもらいます。そして造作譲渡品リストを作成します。
契約書にはスケルトン戻しが一般的
この時に要注意な点が、賃貸借契約書に原状回復(スケルトン戻し)で物件を返却することが定められているかどうかの確認です。通常の居抜き物件売却の場合、大家さんは新借り主と新たに賃貸借契約することになります。
その際に原状回復の義務の有無が、売り手にとっては原状回復費用が必要かどうかのポイントになりますし、買い手にとって造作工事費用がかかるかどうかのポイントになります。ましてや新借り主にとってはその費用がかからないことが居抜き物件購入のメリットなので、原状回復工事が避けられない場合は、そもそも居抜き物件売買が成立しない可能性もあります。
またその原状回復も、内装のすべてを撤去してコンクリートむき出しの躯体の状態まで戻す「スケルトン戻し」が賃貸借契約上指定されているかどうかも確認しましょう。
原状回復(スケルトン戻し)費用の相場は?
仮にスケルトン戻しの原状回復が避けられない場合は、その費用はカフェなどの軽飲食であれば物件の坪数×5万円、中華料理など火を使う重飲食であれば坪数×10万円が相場です。
造作譲渡禁止とは
賃貸借契約書の確認は、そもそも居抜き物件売買行為、すなわち造作譲渡が禁止されているかどうかも含めて行いましょう。これを怠って、居抜き物件売買契約を結んでしまうと、最悪の場合、居抜き物件売買契約の相手から損害賠償請求を受けることがあります。飲食店買取りJPでは契約内容の確認から交渉まで代行させていただいております。
物件購入希望者を募集する
ここまでが問題なくできたら、いよいよ購入希望者の募集です。
その際には世間にまんべんなく募集をかけてもよいですがそうなると買取り希望者からは「どこでも見る物件。まだ決まっていない物件」という印象を与えてしまい、成約率が下がって、逆に効率が悪くなります。居抜き物件売却の相手はほとんどの場合、同業態かそれに近い業態を経営している人または会社ですので、自分で相手を探す場合はそのように絞って行いましょう。
居抜き物件売買専門業者に依頼する場合、事前に業者が店舗にお伺いし、店内の設備などをチェックさせて頂く場合がほとんどです。その際に、壊れていたり、調子が悪い機器があれば申告してください。居抜き物件売買契約成立後に瑕疵担保責任が問われて、損害賠償請求を受けたりトラブルが発生したりすることがあるので、注意しましょう。
交渉
そして物件の状態が相手にも分かったところで、内装売買の希望条件について交渉します。この時には、アバウトな内容ではなく、お互いの認識が完全に一致するように詳細な条件を詰めましょう。
そして居抜き物件売却・譲渡の話がまとまったら、契約前に居抜き物件の購入希望者を、大家さん(物件オーナー)に紹介します。その上で物件オーナーも、新借り主もお互いに賃貸借契約の締結意思があることを確認してもらいます。
居抜き物件売買契約締結
ここまで済めば居抜き物件売却は問題なく実行できますから、購入希望者との間で造作譲渡契約を締結します。締結のタイミングは、造作譲渡品のリストが完成し、売買金額と引き渡し期日の合意が得られた後です。一般的には賃貸借契約の締結時に同時に造作譲渡契約も締結する場合がほとんどです。
中には口約束で実行する人や、正式な契約書を作成しない人もいますが、それはあとでトラブルのもとになりますから、必ず契約書の形で残すようにしましょう。また造作譲渡契約書の代わりに、物件の賃貸借契約書の特約事項として記載して済ます場合もありますが、そうなると物件オーナーが気持ちを変えて賃貸借契約を解約してしまうと、居抜き物件売買契約も自動的にキャンセルされてしまいます。その場合キャンセルの責任がこちらにかかって来ることもあり得るので、独立して居抜き物件売買契約を結んだ方がよいでしょう。
居抜き物件売買契約書に記載すべき内容は以下の通りです。
- 造作譲渡品リスト
- 譲渡品の中のリース品リスト
- 居抜き物件売買費用
- 引き渡し期日
- 売買費用の支払い方法と期限
- 支払いを遅延した場合のペナルティの規定、または手付金の支払いについての規定
- 契約解除や造作物の買い取りを相手が拒否する権利についての取り決め
- 契約締結後に発生したリスクの負担割合
- 契約違反などがあった場合の契約解除と、譲渡した物品の返却要求についての取り決め
- 念のために賃貸借契約の契約者の変更を物件オーナーが承諾している点、原状回復義務が引き継がれている点も記載
居抜き物件の引渡しと決済
居抜き物件の契約者の変更手続きを行います。上で書いたように、いったん現在の賃貸借契約を解約し新たに居抜き物件購入者が賃貸借契約を結ぶ場合と、契約者の変更を覚書などで行う場合があります。そして物件を引き渡し、居抜き売却代金の入金が予定通り行われるかを確認します。
売却の相場は?
居抜き物件売却の費用は、多くの場合は、譲渡する造作の減価償却資産としての残額を基本にするか、あるいはこちらが入居する時に使った内装工事費用を基本にするかのどちらかです。ですので、物件によって異なるため、相場という考え方はなかなか成立しません。
しかし、好立地に物件がある場合は、上記とは違う観点で売却金額が決まることもあります。それは自店舗の、立地の良し悪しを金額に換算する、という考え方です。なぜなら、飲食店の売上は立地に大きく左右されるので、その営業権の売買を基本に考えるからです。したがって、好立地なら高い売却費用を請求しても売買は成立します。
その場合には相場というものが成り立ちます。だいたい、東京で言えば渋谷や新宿などの飲食店に最適な立地の場合は坪当たり30万円、それに次ぐような繁華街の立地の場合は坪当たり20万円、そしてそうではない物件の場合坪当たり15万円です。ですからだいたい平均すると、150万から300万円が相場だと考えればよいでしょう。
周りに知られずに売却できる?
居抜きの売却が来店客や地域住民に知られてしまうと、撤退する店舗で飲食をすることは誰しも嫌がりますから、退店までの売上に悪影響が出ます。そのようなことを避けるためには、周りに知られないように居抜き物件売却の手配をとることもできます。
具体的には、購入者の募集をするための居抜き物件サイトに掲載しないことです。
確かに、サイトに掲載しないことで秘密裏に買取り希望者を探すことは可能ですが、デメリットもあります。
それは、買取り希望者の目に触れる機会がなくなることで、なかなか申し込みが入らず、売却時期が遅くなり、結果売却金額も下げなければならないこともあります。
売却の対象物は売り手が決められるの?
また移転を考えており、現在使っている設備の中で自分が次の店舗で使いたい設備などもあるでしょう。そういうものがある時には、物件購入者との折り合いがつけば、譲渡品リストから除外して、売却の対象物にしないことも可能です。
居抜き売却以外の撤退方法
以上が飲食店を撤退する場合にできるだけ損害を少なくするための居抜き物件売却という手法です。ただし、損害を減らす方法はほかにもあります。
専門業者に厨房機器の売却をする
1つは厨房機器を専門に買い取って、それを修理、清掃して転売することで儲けている業者がいます。インターネットなどで検索して、そういった厨房買取り業者に売却することもできます。
テーブルや椅子などの家具はリサイクルショップを利用する
専門の業者ではなくても、厨房機器などのように使用者が限定される物品以外の、テーブルや椅子などの家具は、リサイクルショップが買い取ってくれる場合もあります。
まとめ
いかがですか。 飲食店舗を退店する場合の理由は、業績不振による廃業や撤退などの場合と、繁盛して資金が溜まったのでよりよい立地に移転する場合の両方です。どちらの場合も、退店に関する費用は抑えたいはずですから、その場合は居抜き物件売却を検討しましょう。居抜き物件売却には細かい段取りや押さえるべきポイントがありますので、まずは専門の居抜き業者に相談することをおすすめします。
飲食店の閉店をお考えのオーナー様へ
その閉店コスト、大幅に軽減できるかもしれません。
閉店する際には、様々な手続きや費用が発生します。
私ども飲食店買取りJPでは、10年以上閉店・退去のサポートもさせていただき、
多忙な飲食店経営者様・オーナー様のご負担の軽減に務めさせていただいております。
- ・解約まで時間が無いため、とにかく早く売りたい
- ・移転先の出店費用にしたいので、なるべく高く売りたい
- ・営業を続けながら売却先を見つけたい
- ・従業員に知られずに売却先を見つけたい
など、様々なご要望にお応えします。
大家さんへの交渉や閉店・売却までの流れについても完全サポートしております。
飲食店の閉店や売却に関するお悩みがございましたら、ご相談は無料ですのでお気軽にご連絡をください。
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